サクラ大戦のレニに愛。テキスト中心、イラスト少々。シリアスとギャグ混在ぎみ。初めての方はAbout Meへ
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ミルキーウェイ・8
~笑って、見せて~
~笑って、見せて~
「レニ…もっと良く見せてくれないか?」
「あ…うん……」
喉がカラカラに乾いているみたいに声がかすれる。もう足元も覚束なってきた。
フラフラとレニが大神の元に近づいていくと、大神の両手がレニの両肩に伸びた。
「レニ、悪いけど…」
大神の両手が、勢い良く胸元からドレスの見事に飾られた装飾を千切った。
きらきらと輝くスパンコールや、豪奢な宝石の粒が、支えを失ってぱらぱらと床にこぼれおちる。空しくそのこぼれおちる音が、部屋の中にまるで響いているようにレニの耳へと突き刺さった。レニは何が何だか理解できないような無表情のまま、大神は全くの無表情でそのちぎれた糸の片割れを握っていた。表面の飾りが千切れてしまったことで衣装全体のバランスが崩れ、萎れてしまった花のように胸元を覆っていた布が派手に捲れていた。
相当に頑丈な造りの筈だ。それに脆い生地な訳もない。
それを、隊長は千切り切った。
ボクから、このドレスという手段を奪い去ってくれた。
「隊長ッ!?」
それでも捲れた部分から下着が見える訳だからボクは胸元を手で押さえて隊長に背を向ける。
「いっ一体何を…?」
「これで…そのドレスはもう着れないね?」
顔が火照っているのがひどく自分でもわかる。捲れた布を押さえた手をぎゅっと握った。
「それはそうだけど…一体どうして?」
「レニはどんな服でも似合うからしょうがないけど…俺以外の男から貰った服を着てるなんて許せないと思った」
「隊長……」
「本当にごめん。だけどそんなに似合ってると、それくらいしないと俺の気が済まなかった…」
「…謝らなくていいよ、悲しいなんて思わない。ボク…嬉しいよ、隊長……」
俯く大神の顔をレニが覗き込む。レニは少し泣きながら、大神に微笑みかける。
「値段なんて遥かに違うし、生地もブランドも大したものじゃないけど…一目見てレニに似合うと思ったんだ」
「ボクに…?」
「若いデザイナーの作品でね、コンセプトは『真冬のミルキーウェイ』らしいんだ」
「ボクの…名前……」
大神の手に握られていた紙袋を受け取り、中の物を取り出すと綺麗な空色が視界に広がった。広げるとまるで昼と夜の空が混ざりあったような美しいグラデーションのドレスが姿を現した。豪華な飾りつけはないが、裾に細かい星の刺繍が施されていた。
「嬉しい…隊長……ボクなんて言えばいいか…」
「着てごらん。きっと似合うから。背中を向けておくから、着替えたら呼んで」
たまらなく嬉しかった。
生地が素肌に触れる感覚も心地良い。早く着たくて、一秒たりとも無駄にしたくなかった。
こんなに好きな人から貰う服を着ることが嬉しいことだなんて思いもしなかった。
同じ袋に入れられていたストールも首にゆるき巻き、青い薔薇の髪飾りを髪につける。ヒールが低めの青いハイヒール…
触れているだけで、笑顔が溢れてしまう。
「着たよ、隊長」
ゆっくりと振り返った隊長は、今度はすぐに答えを言ってくれた。
「思ったとおり…よく似合うよ、レニ」
「だって…隊長が…選んでくれたものだから……」
側に寄って、こつんと額を大神の背中に寄せた。
-------------------------------
そんなに簡単に千切れちゃあダメだと思います。
「あ…うん……」
喉がカラカラに乾いているみたいに声がかすれる。もう足元も覚束なってきた。
フラフラとレニが大神の元に近づいていくと、大神の両手がレニの両肩に伸びた。
「レニ、悪いけど…」
大神の両手が、勢い良く胸元からドレスの見事に飾られた装飾を千切った。
きらきらと輝くスパンコールや、豪奢な宝石の粒が、支えを失ってぱらぱらと床にこぼれおちる。空しくそのこぼれおちる音が、部屋の中にまるで響いているようにレニの耳へと突き刺さった。レニは何が何だか理解できないような無表情のまま、大神は全くの無表情でそのちぎれた糸の片割れを握っていた。表面の飾りが千切れてしまったことで衣装全体のバランスが崩れ、萎れてしまった花のように胸元を覆っていた布が派手に捲れていた。
相当に頑丈な造りの筈だ。それに脆い生地な訳もない。
それを、隊長は千切り切った。
ボクから、このドレスという手段を奪い去ってくれた。
「隊長ッ!?」
それでも捲れた部分から下着が見える訳だからボクは胸元を手で押さえて隊長に背を向ける。
「いっ一体何を…?」
「これで…そのドレスはもう着れないね?」
顔が火照っているのがひどく自分でもわかる。捲れた布を押さえた手をぎゅっと握った。
「それはそうだけど…一体どうして?」
「レニはどんな服でも似合うからしょうがないけど…俺以外の男から貰った服を着てるなんて許せないと思った」
「隊長……」
「本当にごめん。だけどそんなに似合ってると、それくらいしないと俺の気が済まなかった…」
「…謝らなくていいよ、悲しいなんて思わない。ボク…嬉しいよ、隊長……」
俯く大神の顔をレニが覗き込む。レニは少し泣きながら、大神に微笑みかける。
「値段なんて遥かに違うし、生地もブランドも大したものじゃないけど…一目見てレニに似合うと思ったんだ」
「ボクに…?」
「若いデザイナーの作品でね、コンセプトは『真冬のミルキーウェイ』らしいんだ」
「ボクの…名前……」
大神の手に握られていた紙袋を受け取り、中の物を取り出すと綺麗な空色が視界に広がった。広げるとまるで昼と夜の空が混ざりあったような美しいグラデーションのドレスが姿を現した。豪華な飾りつけはないが、裾に細かい星の刺繍が施されていた。
「嬉しい…隊長……ボクなんて言えばいいか…」
「着てごらん。きっと似合うから。背中を向けておくから、着替えたら呼んで」
たまらなく嬉しかった。
生地が素肌に触れる感覚も心地良い。早く着たくて、一秒たりとも無駄にしたくなかった。
こんなに好きな人から貰う服を着ることが嬉しいことだなんて思いもしなかった。
同じ袋に入れられていたストールも首にゆるき巻き、青い薔薇の髪飾りを髪につける。ヒールが低めの青いハイヒール…
触れているだけで、笑顔が溢れてしまう。
「着たよ、隊長」
ゆっくりと振り返った隊長は、今度はすぐに答えを言ってくれた。
「思ったとおり…よく似合うよ、レニ」
「だって…隊長が…選んでくれたものだから……」
側に寄って、こつんと額を大神の背中に寄せた。
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そんなに簡単に千切れちゃあダメだと思います。
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