サクラ大戦のレニに愛。テキスト中心、イラスト少々。シリアスとギャグ混在ぎみ。初めての方はAbout Meへ
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ハイカラ・ポスタァ:5
「どうして、あんな嘘なんてつかれたんですか?」
「だ、って…」
花組の全員でポスタァを見に行って、劇場に帰ってから全員がポスタァなんて忘れて次の公演に向けて稽古を終わらせた後、マリアはポスタァを見に行くことを唯一反対していたかえでのもとへと訪れた。
“びいどろ”に貼られたポスタァの女性は、この劇場の副支配人藤枝かえでであった。茶色の髪の毛、うっすらと焼けた肌、健康的な細さの長い手足、よく噂に聞いたその女性の特徴は彼女に通じるものではあったが、まさか彼女たちの上官ではあるが役者でもないかえでだとは思ってもいなかったのだ。
実際にあの女性のポスタァがかえでだと気づいたのは花組のなかでもほんの一部だというほどに、かえではあのポスタァでは普段とは違う一面を見せていた。
通常でも艶のある髪の毛が印象的だが、更に一本一本が糸のように細やかにそれぞれが美しさを湛えている。また普段とは少し違う薄い化粧が彼女を別人へと変えさせていた。
「街で買い物をしていたらいきなり声をかけられて…花組のみんなはいろいろとかっこいい服とかかわいい服とかを着ているから何も思わないかもしれないけど、私もたまには着たいな、って少し、思って。それに…」
いきなり声をかけられて、の辺りでマリアは眉間に皺を寄せたが、かえではそれに全く気がつかず、俯いたまま理由を語ると、一瞬止まる。
「一度はね、可愛い服着て、かっこいい男の子と歩いてみたかったなぁなんて、思っちゃったのよね」
かえでは少し悲しげに微笑んで、マリアにね、というように首をかしげて見せた。
まだ軍隊に女性なんて全然いない時代だ。士官学校の学生同士で恋をすることなんて考えられないような時代だし、彼女は姉と同じように優秀ゆえに男性からある程度距離を置かれたりしたのだろう。そんな彼女のことを思うと、マリアは何もかける言葉がなかったのだ。
「そうですか…」
「うん…」
ドレッサーの前に腰掛けて佇むかえでは何も話さない。マリアも何も話せない。
何か声をかければ、慰めにもならない慰めの言葉をかけてしまう。そんなことが躊躇われて…マリアはかえでの腕を引っ張った。
「ちょ、っと!マリア!?いきなりなんなのよ…!」
マリアは乱暴にかえでの腕を引っ張って、ドアを開け、一階へと無言で走るに近いほどのスピードで歩く。かえではあまりにも強すぎる力に顔をゆがめながら、マリアの顔色をうかがおうとするが、ぐいぐいと引っ張る マリアの顔は見ることができなかった。
どんどんどん、と大きな音を立てて階段を転げ落ちるように下りながら、たどり着いたのは花組の公演に使う衣装が揃った衣装部屋だった。
「な、んで…っ!?」
ばんっ、と大きな音を立ててドアをあけると、衣装部屋の椅子にかえでを座らせた。
「完璧とまではいきませんが…」
普段花組が幕間に化粧を落としたりしている机の上に置かれているメイク道具をがし、と掴むと、かえでの前髪を押し上げた。
かえではぽっと頬を赤めると、マリアはかえでの顔にやさしくファンデーションを馴染ませていく。
「……私じゃ、駄目ですか?」
--------------------
勢いにすべてを任せています。
なんだかごちゃごちゃだ、あぎゃー
「だ、って…」
花組の全員でポスタァを見に行って、劇場に帰ってから全員がポスタァなんて忘れて次の公演に向けて稽古を終わらせた後、マリアはポスタァを見に行くことを唯一反対していたかえでのもとへと訪れた。
“びいどろ”に貼られたポスタァの女性は、この劇場の副支配人藤枝かえでであった。茶色の髪の毛、うっすらと焼けた肌、健康的な細さの長い手足、よく噂に聞いたその女性の特徴は彼女に通じるものではあったが、まさか彼女たちの上官ではあるが役者でもないかえでだとは思ってもいなかったのだ。
実際にあの女性のポスタァがかえでだと気づいたのは花組のなかでもほんの一部だというほどに、かえではあのポスタァでは普段とは違う一面を見せていた。
通常でも艶のある髪の毛が印象的だが、更に一本一本が糸のように細やかにそれぞれが美しさを湛えている。また普段とは少し違う薄い化粧が彼女を別人へと変えさせていた。
「街で買い物をしていたらいきなり声をかけられて…花組のみんなはいろいろとかっこいい服とかかわいい服とかを着ているから何も思わないかもしれないけど、私もたまには着たいな、って少し、思って。それに…」
いきなり声をかけられて、の辺りでマリアは眉間に皺を寄せたが、かえではそれに全く気がつかず、俯いたまま理由を語ると、一瞬止まる。
「一度はね、可愛い服着て、かっこいい男の子と歩いてみたかったなぁなんて、思っちゃったのよね」
かえでは少し悲しげに微笑んで、マリアにね、というように首をかしげて見せた。
まだ軍隊に女性なんて全然いない時代だ。士官学校の学生同士で恋をすることなんて考えられないような時代だし、彼女は姉と同じように優秀ゆえに男性からある程度距離を置かれたりしたのだろう。そんな彼女のことを思うと、マリアは何もかける言葉がなかったのだ。
「そうですか…」
「うん…」
ドレッサーの前に腰掛けて佇むかえでは何も話さない。マリアも何も話せない。
何か声をかければ、慰めにもならない慰めの言葉をかけてしまう。そんなことが躊躇われて…マリアはかえでの腕を引っ張った。
「ちょ、っと!マリア!?いきなりなんなのよ…!」
マリアは乱暴にかえでの腕を引っ張って、ドアを開け、一階へと無言で走るに近いほどのスピードで歩く。かえではあまりにも強すぎる力に顔をゆがめながら、マリアの顔色をうかがおうとするが、ぐいぐいと引っ張る マリアの顔は見ることができなかった。
どんどんどん、と大きな音を立てて階段を転げ落ちるように下りながら、たどり着いたのは花組の公演に使う衣装が揃った衣装部屋だった。
「な、んで…っ!?」
ばんっ、と大きな音を立ててドアをあけると、衣装部屋の椅子にかえでを座らせた。
「完璧とまではいきませんが…」
普段花組が幕間に化粧を落としたりしている机の上に置かれているメイク道具をがし、と掴むと、かえでの前髪を押し上げた。
かえではぽっと頬を赤めると、マリアはかえでの顔にやさしくファンデーションを馴染ませていく。
「……私じゃ、駄目ですか?」
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