サクラ大戦のレニに愛。テキスト中心、イラスト少々。シリアスとギャグ混在ぎみ。初めての方はAbout Meへ
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謳歌絢爛13
~対峙~
~対峙~
「ええ、はなーが長くなってしまうほどお待ちしましたわ…大神支配人」
ごめんと謝りながら食堂に現れた大神にむっとした表情でそう答えたのは、昨日大神に手紙を寄越した神崎重工の取締役であり、少し前までこの劇場の舞台に立っていた神崎すみれである。そんなイヤミな言葉を発しつつも、本人はそれほど思ってもいなく、そして大神もそう思っていないことを分かりきっている。この数年間で、仲間として得られたものでもある。
大神がよく知っているような、肌蹴たあの紫の着物ではなく彼女は紫色のタイトなスーツを着ていた。さすがは彼女のことであり、鮮やかでありつつも上品にそのスーツを着こなしていた。スーツは現在、大きな仕事で活躍しつつ時代の最先端を取り入れるハイカラな女性の服装としての代表的なものであったが、まさに彼女はその活躍する女性なのであろう。幼いころから神崎家で身につけられた品だけではなく、働く女性としての優雅さというのも彼女はすでに持ち合わせているような気がした。
「ま、よろしくてよ。わたくしが忙しいのと同じように、この大帝国劇場ですべてを取り仕切る大神支配人も忙しいでしょうから」
「今日の公演の臨時演出について話し合っていてね」
「臨時演出、ですって…?」
何気なく大神が発した言葉に、すみれは顔を顰めた。
「レニの体調が悪くてね、本人は長い公演だから体調を崩した、と」
「支配人は本当にそう思っていらっしゃるの?」
「俺には…分からない。演技は肉体的・精神的にも極限に澄ますことだと…そうは聞いているけど俺はそれを感じたことがあまり無いから…」
「中尉はそうお思いですのね…じゃあ最近巷でさくらさんの演技に冴えが無いという噂が流れているのはご存じで?」
「ああ、この前小耳に挟んだよ。俺が見たところでは、そんな違いは感じられらないけど…」
淡々と質問を大神に与える。それに大神は冷静に答えるが、その度にすみれはむっとした表情を強めていく。
「中尉は…わたくしたち女優のことを愚弄しているのだということを分かってらっしゃるの?!」
「な、なんのことだい?」
すみれは大神のモギリ服の胸倉を掴み、大神の目を睨みつける。
「わたくしたち女優は、たしかに演技に肉体的・精神的に全てを捧げますわ。それゆえに…わたくしたちは舞台のために身体を壊すようなことがあってはなりません。舞台のためにすべてをささげているのですから!」
「でも…」
「さくらさんの場合だってそうですわ!噂を聞いて、違いを見つけようとするところがいけないってこと、おわかりになりませんの?!」
すみれは一度俯いて息をのむと、再び大神を睨みつけた。
「わたくしたちはいつも最高の演技、歌、踊りをしなくてはなりません。その極限を舞台で披露している訳ですから、違いなどあるはずがないのです。下がることは決してあってはなりませんわ」
怒鳴りつけるすみれの声は、大神に自分の思いをつたえようとしていたのはもちろんだが、それだけでなく大神に分かってもらえない悲しみが孕まれていた。
「中尉、ひとつお聞きしてもよろしくて?」
ごめんと謝りながら食堂に現れた大神にむっとした表情でそう答えたのは、昨日大神に手紙を寄越した神崎重工の取締役であり、少し前までこの劇場の舞台に立っていた神崎すみれである。そんなイヤミな言葉を発しつつも、本人はそれほど思ってもいなく、そして大神もそう思っていないことを分かりきっている。この数年間で、仲間として得られたものでもある。
大神がよく知っているような、肌蹴たあの紫の着物ではなく彼女は紫色のタイトなスーツを着ていた。さすがは彼女のことであり、鮮やかでありつつも上品にそのスーツを着こなしていた。スーツは現在、大きな仕事で活躍しつつ時代の最先端を取り入れるハイカラな女性の服装としての代表的なものであったが、まさに彼女はその活躍する女性なのであろう。幼いころから神崎家で身につけられた品だけではなく、働く女性としての優雅さというのも彼女はすでに持ち合わせているような気がした。
「ま、よろしくてよ。わたくしが忙しいのと同じように、この大帝国劇場ですべてを取り仕切る大神支配人も忙しいでしょうから」
「今日の公演の臨時演出について話し合っていてね」
「臨時演出、ですって…?」
何気なく大神が発した言葉に、すみれは顔を顰めた。
「レニの体調が悪くてね、本人は長い公演だから体調を崩した、と」
「支配人は本当にそう思っていらっしゃるの?」
「俺には…分からない。演技は肉体的・精神的にも極限に澄ますことだと…そうは聞いているけど俺はそれを感じたことがあまり無いから…」
「中尉はそうお思いですのね…じゃあ最近巷でさくらさんの演技に冴えが無いという噂が流れているのはご存じで?」
「ああ、この前小耳に挟んだよ。俺が見たところでは、そんな違いは感じられらないけど…」
淡々と質問を大神に与える。それに大神は冷静に答えるが、その度にすみれはむっとした表情を強めていく。
「中尉は…わたくしたち女優のことを愚弄しているのだということを分かってらっしゃるの?!」
「な、なんのことだい?」
すみれは大神のモギリ服の胸倉を掴み、大神の目を睨みつける。
「わたくしたち女優は、たしかに演技に肉体的・精神的に全てを捧げますわ。それゆえに…わたくしたちは舞台のために身体を壊すようなことがあってはなりません。舞台のためにすべてをささげているのですから!」
「でも…」
「さくらさんの場合だってそうですわ!噂を聞いて、違いを見つけようとするところがいけないってこと、おわかりになりませんの?!」
すみれは一度俯いて息をのむと、再び大神を睨みつけた。
「わたくしたちはいつも最高の演技、歌、踊りをしなくてはなりません。その極限を舞台で披露している訳ですから、違いなどあるはずがないのです。下がることは決してあってはなりませんわ」
怒鳴りつけるすみれの声は、大神に自分の思いをつたえようとしていたのはもちろんだが、それだけでなく大神に分かってもらえない悲しみが孕まれていた。
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