サクラ大戦のレニに愛。テキスト中心、イラスト少々。シリアスとギャグ混在ぎみ。初めての方はAbout Meへ
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ミルキーウェイ・10
―仮面と表情―
―仮面と表情―
「お久しぶりです、ミスター・オオガミ」
暗闇から落ち着いたアルトの声が響き、声の主が現れた。腰まで伸びたブロンドヘアに、鮮やかな青色のスーツを着こなした美女。大神はかつてほんの少しの時間ではあったが仲間だったことがある。
「ラチェットくん…それに……」
ラチェットの傍らに立つ切り揃えられた真っ黒の髪の毛、東洋人独特のミステリアスな目元にキリリと紫のスーツを着こなす少年、あるいは少女であるかは定かではない人物が口を開く。
「あなたが大神一郎、ですか。僕は九条昴……昴は思った、ひとは見かけによらない、と…」
「昴は私や織姫、それにレニと共にかつて欧州星組で戦った一人よ。紐育華撃団を作る上で必要だと思って呼んだの」
「そうか…君も欧州星組だったんだな」
「昴は言った…過去の出来事は関係無い。昴は昴が今できることをやるだけだ。織姫もレニも、もうあのときの僕とは違う、良い意味でも、悪い意味でもね」
「人はごく短い期間に変わるものさ。いずれ昴にもそのときが来たら解るさ」
「ええ…織姫はともかくあれほどまでレニが変わるとは思ってなかったわ」
「あの愛国心のない欧州のトップスターのことかい?」
「まぁあの完全無欠の演技がもう見られないのは残念だけれど…でも星組時代からは考えられないあの豊かな表情は、ミスター・オオガミ、あなたのおかげなのよね?」
「いや、花組みんなと彼女自身の結果だ。俺は何かしたつもりはないよ」
「彼女、か…確か日本語でそう言われることをレニは嫌っていたな。レニも女に堕ちたか」
「おちた…?それは一体…?」
「レニは男役を主にこなす役者だ。そのレニの心が女になるというのは、役がもっと表面だけになり奥行きがなくなってしまう…自分の必要のない願望が役の中に紛れ込んでしまう…僕はそう思う、レニもそう考えていた」
「そんなことはない!!俺は役者ではないけど、演技を行う上で、感情の大きな変化というのはいつか役に立つはずだと思う。まず役者である以前に君たちは人間であるはずだ」
「それは綺麗事だ。実力や家柄が夢と伴わない場合はどうなる?役者になるために人間らしい生活を送れない人間なんていくらでもいる…特にアメリカではね」
「人間らしいだとか、人間のすべきことだとか、そんなレベルじゃない。人間が生まれ心臓が動いているくらい、それは当然なことだと俺は思ってる」
「そんなに器が大切だと言うのかい?生きていれば、優れているかいないかの問題じゃないか。僕は今まで性別が作り出したものは可能性の限定しかないと思っている。…そんなにレニを女性と認める必要があるのかい?帝国華撃団の隊員で、帝国歌劇団の役者レニ・ミルヒシュトラーセでは駄目なのか?それ以上の思い入れでも?」
「あっては…ダメか?彼女にはそのつもりで今日はついてきてもらってるんだ」
「…呆れた……昴は軽蔑する。自分の部下をそのように見ていたとは。話にならない。…ラチェット、あとはよろしく頼む」
「ちょっ、ちょっと昴!?…ごめんなさい、ミスター・オオガミ。昴は性別の問題になると少し機嫌が悪くなるけど、普段はあんなことはないのよ」
「いや、いいんだ。聞かれて嫌なことはみんなあるに決まってるさ。…俺も彼女のことが絡んでカッとなりすぎたよ」
「ありがとう。ミスター・オオガミ…で、あなたに頼みがあるのよ」
「なんだい?」
「今は私が紐育華撃団の隊長は私がやるつもりなのだけれど…いずれあなたにやって欲しいと思ってるの。四回も世界を救ったあなたに」
「紐育華撃団に…?」
「いずれ私は隊長ではいられなくなる。どうしても、隊長が必要なの!」
「……少し、待ってください」
「良い返事を待ってます。…ミスター・サコミズ、ミスター・オオガミを連れてきてもらってありがとう」
「いや、礼には及ばないよ。大神君、君は早くレニ君のところに行かなくていいのかな?」
「しまった…迫水大使、ラチェットくん、今日はこの辺で」
---------------------------------
たぶん当時自分への挑戦として昴が書きたかったんだと思う、
ただ、それだけ。
暗闇から落ち着いたアルトの声が響き、声の主が現れた。腰まで伸びたブロンドヘアに、鮮やかな青色のスーツを着こなした美女。大神はかつてほんの少しの時間ではあったが仲間だったことがある。
「ラチェットくん…それに……」
ラチェットの傍らに立つ切り揃えられた真っ黒の髪の毛、東洋人独特のミステリアスな目元にキリリと紫のスーツを着こなす少年、あるいは少女であるかは定かではない人物が口を開く。
「あなたが大神一郎、ですか。僕は九条昴……昴は思った、ひとは見かけによらない、と…」
「昴は私や織姫、それにレニと共にかつて欧州星組で戦った一人よ。紐育華撃団を作る上で必要だと思って呼んだの」
「そうか…君も欧州星組だったんだな」
「昴は言った…過去の出来事は関係無い。昴は昴が今できることをやるだけだ。織姫もレニも、もうあのときの僕とは違う、良い意味でも、悪い意味でもね」
「人はごく短い期間に変わるものさ。いずれ昴にもそのときが来たら解るさ」
「ええ…織姫はともかくあれほどまでレニが変わるとは思ってなかったわ」
「あの愛国心のない欧州のトップスターのことかい?」
「まぁあの完全無欠の演技がもう見られないのは残念だけれど…でも星組時代からは考えられないあの豊かな表情は、ミスター・オオガミ、あなたのおかげなのよね?」
「いや、花組みんなと彼女自身の結果だ。俺は何かしたつもりはないよ」
「彼女、か…確か日本語でそう言われることをレニは嫌っていたな。レニも女に堕ちたか」
「おちた…?それは一体…?」
「レニは男役を主にこなす役者だ。そのレニの心が女になるというのは、役がもっと表面だけになり奥行きがなくなってしまう…自分の必要のない願望が役の中に紛れ込んでしまう…僕はそう思う、レニもそう考えていた」
「そんなことはない!!俺は役者ではないけど、演技を行う上で、感情の大きな変化というのはいつか役に立つはずだと思う。まず役者である以前に君たちは人間であるはずだ」
「それは綺麗事だ。実力や家柄が夢と伴わない場合はどうなる?役者になるために人間らしい生活を送れない人間なんていくらでもいる…特にアメリカではね」
「人間らしいだとか、人間のすべきことだとか、そんなレベルじゃない。人間が生まれ心臓が動いているくらい、それは当然なことだと俺は思ってる」
「そんなに器が大切だと言うのかい?生きていれば、優れているかいないかの問題じゃないか。僕は今まで性別が作り出したものは可能性の限定しかないと思っている。…そんなにレニを女性と認める必要があるのかい?帝国華撃団の隊員で、帝国歌劇団の役者レニ・ミルヒシュトラーセでは駄目なのか?それ以上の思い入れでも?」
「あっては…ダメか?彼女にはそのつもりで今日はついてきてもらってるんだ」
「…呆れた……昴は軽蔑する。自分の部下をそのように見ていたとは。話にならない。…ラチェット、あとはよろしく頼む」
「ちょっ、ちょっと昴!?…ごめんなさい、ミスター・オオガミ。昴は性別の問題になると少し機嫌が悪くなるけど、普段はあんなことはないのよ」
「いや、いいんだ。聞かれて嫌なことはみんなあるに決まってるさ。…俺も彼女のことが絡んでカッとなりすぎたよ」
「ありがとう。ミスター・オオガミ…で、あなたに頼みがあるのよ」
「なんだい?」
「今は私が紐育華撃団の隊長は私がやるつもりなのだけれど…いずれあなたにやって欲しいと思ってるの。四回も世界を救ったあなたに」
「紐育華撃団に…?」
「いずれ私は隊長ではいられなくなる。どうしても、隊長が必要なの!」
「……少し、待ってください」
「良い返事を待ってます。…ミスター・サコミズ、ミスター・オオガミを連れてきてもらってありがとう」
「いや、礼には及ばないよ。大神君、君は早くレニ君のところに行かなくていいのかな?」
「しまった…迫水大使、ラチェットくん、今日はこの辺で」
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たぶん当時自分への挑戦として昴が書きたかったんだと思う、
ただ、それだけ。
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