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サクラ大戦のレニに愛。テキスト中心、イラスト少々。シリアスとギャグ混在ぎみ。初めての方はAbout Meへ
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塩絡みさんのチャットでかきますといったネタ。
ガチ百合です。わたしにはこれでいっぱいいっぱいです。
き、嫌いになんてならないで~!!(涙)
そんなモトホシSS。急いでたために文章が不完全かもです、、、

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大神の誕生日は1月3日。
世ではまだまだお正月。師も走る師走を越せども、ご近所へ、親戚へ、と挨拶に大忙し。その中で彼の誕生日は忘れられてしまうことが多いし、それに御節、お雑煮、焼き餅と、帝劇の中の食料は飽和されている。

赤と白と


「今日はねー、特別なものを買ってきたのよ!」
 かえでは満面の笑みを湛えながら、小さな箱を抱えてやってきた。
 サロンで歌留多に興じる花組の面々は、きょとんとした表情でかえでを見つめる。
「見てみてっ、今年はちゃーんと大神くんの誕生日を忘れずにケーキを買ってきてあげたのよっ」
 そして皆一瞬息を呑み、ついため息が漏れた。

「かえでさん、本日支配人は賢人機関の会議で不在ですよ」
「え?…あら、そう言えばそうだったわね…」
「そうだったで済まないよーっ!!」
「確かになぁ…ケーキってところがなぁ…」
「かえでさんの気持ちはいいことやけど、うちらにはケーキは…」

「もう食べ飽きましたーっ!!なんでこんなにニッポンジンはショートケーキが好きなんですかー!!それにっ、短くもないくせにショートケーキだなんて意味フメーでーすっ!!」
「最近ボクらは稽古をしていない上に理想的な一日の摂取エネルギを越える食事が多い」
「あ、あたしももうそろそろ食事は控えないと…」
 かえでは困ったように笑うだけだった。
「じゃあ歌留多で決めましょう!歌留多で枚数が少ない4人が、それぞれケーキの四分の一をもらっていくっていうのはどう?」
 こうして花組白熱の歌留多大会が始まった。

「まぁ…負けたもんはしょうがないなぁ…」
「食べた分はトレーニングすりゃいい話だ、なっ!」
「アイリス、こんなに大きいケーキ食べられなーい!!」
「もうケーキなんてキライでーす…」
 そして負け組四人衆はしぶしぶその大きめのケーキを持って帰った。この事件の発端であるかえでは何だかんだ言って読み手をしていたため、そのケーキを貰っていないことは、後の雑談でのネタになるだけであった。


 部屋でレニが少しかたくなったかもしれないと思いながらストレッチをしているとき、彼女の部屋のドアがノックされた。
「誰?」
「わたしでーす!!織姫でーす!!」
「…入って」
 嫌な予感がする、レニはそう思いつつも来客を部屋へと迎えることにした。

「レーニっ、一緒にケーキ食べましょうっ」
「……」
「どうしたですか、レニ。黙ってないで何か言うです!!」
「も、もうやだ…」
 レニが珍しく顔をひきつらせながら答えた。その表情にいつもの冷静さは無かった。

「なんでそんなにイヤがるんですかー、そんなたくさん食べろなんて言ってないです」
「さっき少しアイリスにももらった。それに…織姫はボクが最近どれだけケーキを食べているか知ってるの?」

 レニの誕生日はクリスマスイブ。クリスマスイブと言えば、少しハイカラな家ではケーキが食べられている日でもある。誕生日プレゼントとしてケーキをもらうことなど、想像に容易いことである。
 そしてそれはレニにももれなく当てはまっている。
「もう生クリームなんて見たくもない…」
「レニ…」
 彼女は誕生日に相当なトラウマを植え付けられてしまったようである。


「じゃあこのいちご食べてくださーい!!いちごなら大丈夫ですよね?」
「え…う、うん、いちごくらいなら…いいけど…」
「はい、じゃあこれも、これも、これもあげるでーす!!」
「ちょ、こんなにもいらないよ…っ」
「ほら、レニ!あーんするでーす!!」
「あ、あーん?ってなんのこと…?」
「いいから口を開けるでーす!!」
「あわぁっ…むぐっ!いきなり突っ込むのはやめてよっ…喉につまっちゃうじゃない…」
「じゃあ、自分で食べてくださーい」
「食べないなんて言ってないのに…」
 
 レニが織姫からもらったいちごの数は4つ。どれも甘酸っぱくて、とてもおいしいものだった。ケーキを食べ飽きてしまっているレニでも、この新鮮ないちごは難なく食べられるようだった。
「レニ、おいしいですか?そのいちご」
「うん。すごくおいしい。ありがとう」
 レニが最後の一つを指に挟んだ。
「…もしかして、織姫も食べたかった?」
「食べたくないわけではないですけどー…」
「じゃあこれ織姫に返す!ボクばかり食べてるわけにはいかないよ」
 レニはそう言って織姫のほうにいちごを突き出すと、織姫はにっこりとした表情になって
「じゃあ頂くでーすっ!!」
「んふぅっ!?」
 織姫は唇でレニの指ごとレニの唇に押し付ける。
「最後の一つは、レニと食べたいんです…」
「んんっ!?」
 レニの腕を取って、いちごから手を離すように促すと、織姫はそのままレニをベッドに横たわらせる。レニはわけが分からず、織姫を見つめているままである。
 
「バランスが崩れると、いちごがベッドに落ちちゃいますよ?」
「え…あ、うん…」
 織姫が忠告をしたとおり、レニはいちごの支えとなっているその唇をあまり動かさないように、織姫に返事をした。
「ほら、レニも食べてくださーい」
「んんっ…」
 レニがいちごをかじると、その新鮮ないちごからは甘酸っぱい果汁が溢れ、レニの口の端を伝う。
「はあっ…」
 その口の端から伝う果汁を織姫は舌でなめ取った。レニはびく、っと身体を震わせてそのいちごを齧っていた口を窄める。
「も、いい…織姫が食べて…」
「しょうがないですね…わたしが全部食べちゃいますよ…」
 織姫が一口でそのいちごを口に含み、そのままレニに口付けた。
「あっ、いやっ…んんっ…!!」
「レニ、いちごの味はどーですか…?」
「んんっ…だ、だめっ…!」
 織姫は舌をレニのそれに絡ませると、レニの目の端からうっすらと涙が流れているのが見えた。
「な、生クリームがっ…」
「んーもうっ、レニったら、こんなときぐらい生クリームの話なんて忘れちゃってくださーいっ!!」
 織姫はぷい、とレニから離れると、ベッドから立ち上がる。
「どういうこと…?こんなとき、って…?」
「知らないならいいんです。わたしがいつかいーっぱい教えてあげますからっ!!」
 レニはやっぱり織姫が訳がわからない、というように、織姫が部屋を立ち去る背中を見つめていた。甘い味の残る唇にそっと指を寄せて。
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