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サクラ大戦のレニに愛。テキスト中心、イラスト少々。シリアスとギャグ混在ぎみ。初めての方はAbout Meへ
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謳歌絢爛8
~大好きだから~

「ママ…わたしです。この公演が終わったらイタリアに帰ります」

織姫の自室。イタリアの国旗をモチーフにしたカーテンや、豪華な家具が置かれた部屋はいかにも彼女らしい。彼女は机の上に置いてあるキネマトロンで通信していた。

「中尉サンにも許してもらえました、ゆっくりしてきてもいいって」

彼女の顔は浮かない表情を飾る。何かを迷っているような顔だ。

「わたしは…日本に居たいと思います。それでも、それでも…」

ぎゅっとドレスの裾を握りしめた。



「そうやな…先月と比べるとだいぶ落ちとるな。でもマリアはんには霊力に関して余裕があるからまだ大丈夫やで。たぶん気分による上下か誤差やろ」

「わかったわ、ありがとう紅蘭。大変なところ申し訳ないわね」

「こんなことならいつでもやったるで!マリアはんは主役なんや、ゆっくり休まへんと、明日に支障が出てまうで」

「ありがとう…じゃあ紅蘭。また明日ね」



「レニ、私よ」

「かえでさん…入って」

かえでがレニの部屋に入ると、かつての部屋とは比べものにならないくらい華やかになったレニの部屋が広がる。レニはベッドの上でだるそうに寝ころんでいた。

「鎮痛剤ならもってきたわ。さあレニ、腕を…」

「これじゃない…こっちじゃ、ダメだよ……」

小刻みに震える右腕を必死に左手で握っていた。レニはかえでの持ってきたものに納得していないようだった。

「無いわ。ほら、腕を出して。あなたも辛いでしょう」

「嘘だ!かえでさんは持ってるはずだ。第一、あの薬は賢人機関にあったって何も意味がない。いざというときのためにかえでさんが持ってるんでしょう!」

「やめなさい、レニ!暴れないで!!」

「いやだ!ボクは…みんなのために、隊長のためにその薬を打つわけには…」

「ごめんなさい、レニ。やっぱり渡すわけにはいかないわ」

レニの首に手刀を入れるとレニはこっくりと倒れた。いつもの彼女であったらこんな簡単にはいかないが、錯乱状態に陥っていたために手刀を入れることができたのだった。

「これがあなたのためなのよ」

かえではレニのブラウスをまくりあげて腕を晒すと、そこにアルコールで湿らせたガーゼで消毒をしてから一本の薬を注射した。次第にレニの息が落ち着いていったのだった。



「ふわぁあああ。今日もつかれたなぁ、レニも織姫も紅蘭も、なんだかみんな大変そうだけど…あれ、あの子!」

アイリスが大きな欠伸をしながら、花組の居住スペースのある二階にたどり着くと、そこには先ほどの少女がいた。アイリスと並ぶと、全くと言っても良いほどに対照的な外見をもつ少女。

「はなちゃん、だよね!早く寝ないと、病気になっちゃうよ!」

アイリスがはなに微笑んで話しかけると、はなは無表情のままアイリスを振り返ってアイリスを見つめていた。はなは何も言わず、ただアイリスを見つめているだけだった。

「あっ、そうだ!おねえちゃんの名前はアイリスっていうの!一番はなちゃんに年も近いから、仲良くしてね!」

「アイリス…おねえちゃん…」

名前を呼ばれたアイリスはにっこりとほほ笑むと、はなの手を握ってかえでの部屋へとゆっくり歩き始めた。

「今日はかえでおねえちゃんの部屋で寝るんでしょ、かえでおねえちゃんの部屋はこっちだよ!」

相変わらず、はなは何もしゃべらないままだった。アイリスは何も言わないはなとどうにか仲良くなる方法を探して、その結果考え付いたのは彼女の「ともだち」だった。

「ほら、ここがかえでおねえちゃんの部屋だよ。それからね…この子はジャンポール!アイリスの一番のお友達なの!ジャンポールもはなちゃんが来てくれてうれしい、って。今晩はジャンポールがはなちゃんの隣にいるよ!」

アイリスがはなにジャンポールを手渡すと、はなはそれを受取って、まじまじとジャンポールを見つめていた。その間にアイリスはかえでの部屋のドアをノックする。

「かえでおねーちゃーんっ!!はなちゃんつれてきたよ!!」

アイリスがノックの後にドアの外からかえでを呼ぶと、かえでは少し疲れた様子でその姿を見せた。

「はな、こんなところにいたのね!心配したのよ…それから、アイリスもありがとう。もう夜も遅いから、早く寝なきゃだめよ」

「はーい、じゃあね!はなちゃん!!」

アイリスが振り返ると、はなはいつもアイリスがしているように胸にぎゅっとジャンポールを抱いてぱたぱたとかえでの部屋へと入っていった。かえではアイリスにいつものようにお休みのキスをするとそのドアを閉めた。


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謳歌絢爛に関してはストックが大量にあるのですが、
今見てみたらストックの最後が
「ええ、
だった。
しかもパラグラフのはじまり。

誰のセリフなんだー(涙
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