サクラ大戦のレニに愛。テキスト中心、イラスト少々。シリアスとギャグ混在ぎみ。初めての方はAbout Meへ
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こんなところでまさかの展開ー。
もうそろそろレニいぢりすぎだよ、自分。
もうそろそろ滅んでもいいよ、自分(汗
大レニ前提なすばれに。
そして昴さんはどうかと言うと、新昴前提。
W浮気ってヤツですか(ォィ
もうそろそろレニいぢりすぎだよ、自分。
もうそろそろ滅んでもいいよ、自分(汗
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「…大河?」
シャワーを済ませ、テレビの電源をつけソファでゆったりと水を飲んでいたとき、玄関から小さなノックの音が聞こえた。
こんな時間に、ホテルの一室に訪れることができるのはホテルの受付を顔でパスしてしまうほどの著名な人物か、相当自分と親しい人物である。
ラチェットか、新次郎か。…ラチェットは今、サニーサイドと共に賢人機関の何かの会議に出ていたはず。
消去法で、彼しかいない。
自分より20センチほど高い身長、真黒でストレートの髪、どこまでも澄んだ真っ黒の瞳…予想したものと何一つ合わない人物が、扉を開けた先に居た。
「久しぶり、だね」
「…どうして君がこんなところに…?」
紐育では独逸人バレエダンサーとして有名なレニ・ミルヒシュトラーセの姿がそこにあった。
心より
「これから久しぶりに欧州ツアーなんだ。織姫は事前にもう伊太利亜に帰っているから、ボクは一人で欧州に」
「なんで紐育経由で欧州に?亜米利加に何か特別な用事が?」
「…たまには逆回転してもいいでしょう?」
「……は?」
少し控え目に微笑んだ彼女に、昴は開いた口がふさがらなかった。
「ボクは飛行機に乗る方が好きだから、どっちから欧州に向かっても関係ない…確かに日本は大体東経135度、日本から東に英吉利へ向かうと地球の135度、西に向かうと地球の225度、地球の赤道半径は6380キロメートルだからその差はいちま…」
「もう説明しなくていい。結局のところ君が言いたいのはなんとなく東回りで欧州に行きたかったということ、だろう」
「うん。久しぶりの亜米利加は相変わらずいろんなビルが無秩序に乱立してるね」
「そんなことを言いに僕のところに来たのかい、君は…」
「ただ、言ってみただけだよ。昴が気に食わなかったのだったら謝る」
「君って人は…いいよ、そこに座ってて。コーヒーでいいかい?」
「ありがとう。じゃあ、待ってる」
なんだかやりにくいな、と思いながら昴はキッチンに向かった。
彼女はかつての仲間。今がどんな関係なのかというのは分からない。
さっきだって、まるで旧友のように親しく話をしていた訳だが、実際どれだけぶりに会ったのかすら見当もつかない。きっともう十年くらいになるのだろうか。
彼女に笑顔なんてものは何もなかった。
そして、ジョークだとか冗談だとか、むしろ心から発した言葉など、彼女から聞くことはなかった。いったい何が起きているのだろう、本当に自分の目の前にいるこの人物を、仲間だった時代の彼女とイコールで結ぶことが躊躇われてしまうほどだ。
ソファに座って、テーブルの上に置いてある生け花を微笑みながら見つめているあの少女は、「殺戮兵器」とは程遠かった。
ちらりちらりと彼女を覗き見ながら、僕はコーヒーを淹れた。
「ほら、コーヒー…紐育と言っても、外は寒いだろう?」
「ありがとう…久しぶりに会えて嬉しい。本当に」
「僕も、久しぶりに君の顔が見えて嬉しい。この前独逸に行ったときの君の噂が本当だってことも確認できたしね」
「ボクの…噂?」
レニは予想もしていない、というように眼をまん丸にして驚いていた。昴はふふ、と笑ってレニの隣に座ると、「噂」の説明を始めた。
「この前昴が独逸に能の公演に行ったとき、独逸の有名な演奏者という人に聞いてみたんだ。僕の知り合いにレニ・ミルヒシュトラーセがいる、君が知っている彼女に関する最近の話を教えてほしい、と…」
「で、どう言っていた?その人、ボクのこと…」
好奇心、というよりも少し不安げ、という表情だ。これもかつての彼女との大きな差だろう。彼女に不安などという感情などなかったはずだから。
「かつての彼女とは打って変わって、とても感情豊かな表現力を持つ演奏者になった、と…」
「ねえ、昴…」
「ボク…不安なんだ…評判だけでその人間が決まるってわけじゃないけど、今まで“仮面を被った完璧の演技”と呼ばれていたボクが、もうそんなのじゃないから…欧州で受け入れられるのか、心配なんだ…ボクの中途半端な感情が役にとって邪魔なものじゃないか、って…」
「レニ…?」
「昴はどう思うの?自分の気持ちが、役にとって妨害になるって、思わない?ボクには、もう昔みたいに演技ができないって思わない?」
「…演技は人形がやるものじゃない、人間がやるものだ」
昴は震えるレニの肩に手を添えた。レニは今にも泣きそうな表情で昴を見つめている。
「人形劇なんかじゃない。僕らは、人の心をそこに表現するんだ」
「ボクは、人間でいいの…?ボクのこと、人間って認めてくれる…?」
昴は驚いた。まさかレニがそこまで思い悩んでいたことに。以前の彼女なら人間かどうかと問われればイエスと答えるのに躊躇したものだが、今目の前の彼女は何の戸惑いもなく肯定できる。彼女はそんな変化を超えたからこそ、自分が人間であるかどうかを心配している。彼女をこうしてしまった彼女の過去を、昴は恨む。
昴はレニの頬に手を添えた。
「何、すばっ…、んんっ…」
昴はレニに強く口づける。レニはそれを拒絶するように昴の肩を押すが、昴はレニの頬の手とは逆の手をレニの腰に廻した。その腰はかつての彼女と違い、緩やかな曲線を描く女性的なものになっていることが感じられる。
「…レニ…」
しばらくの間それが続いて、昴がレニを呼びかける。レニは顔を真っ赤にして口元を手で押さえ、昴を見つめている。
「ど、どうして…?」
「緊張しただろう?」
「そ、そうだけど…!!」
「そんな純粋な気持ちを持つのに、君が人間じゃないわけがない」
「!!」
昴はレニに優しく微笑みかけると、レニは恥ずかしそうにうつむいた。
「それに…昴は思う。拒絶したのは君が感情を持っているのと、君が想い想われている人がいるからだろう?」
「す、すばる…」
レニはついに恥ずかしすぎて昴に背を向けてしまった。
「…帝国華撃団の、隊長かい?」
「…うん……」
レニの手を握る。
「君にとって、きっと最高の出会いだったんだろうね。ずっと、彼を大切にしておくといい」
「…ありがとう…」
最後の方は全然聞こえなかったが、昴はその言葉に微笑んだ。
「昴、ボク、もう一つ聞きたいことがある…」
「なんだい?」
「昴にも、大切な人がいる、そうだよね?」
「…どうしてそう思う?」
「だって、今の昴は、ボクの記憶の昴よりもずっと暖かくて、ずっと優しい。ずっと…笑顔が似合う人になってる」
「レニ…」
「ボクたちは、人形なんかじゃない。そうだよね…?」
「……もちろんさ」
「気に入ったかい?その花のこと」
「ボクの思い出の花だよ。日本に来てから一緒にブロマイドを撮った花なんだ」
「…その花の花言葉、知っているかい?」
「ううん、知らない」
「その花はヒメサユリ、花言葉は」
私の心の姿。
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