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サクラ大戦のレニに愛。テキスト中心、イラスト少々。シリアスとギャグ混在ぎみ。初めての方はAbout Meへ
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マリかえSS(前).
ちょっと長めになるので、前後に分けます;;

マリかえの始まりの話。
マリ->あや ゆえの葛藤のおはなし。



-------------


 父の好きなロシア語で書かれた小説
 母が亡くなる間際まで握っていたロザリオ
 少し前まで、つけていたロケット…

 ここには何でもあるような気がする。
 物自体はそれほど多くはないけれど、きっと“私のすべて”が集約されている。
 たった、数年の間で。
 そのすべての、始まりは…



すべて
-side M-

「改めて、初めまして。マリア・タチバナさん…少し前から帝国華撃団花組副司令になった藤枝かえでよ。よろしくね」
 それはあまりにも似ていて、私は目を背けることができなかった。
 声も瞳も髪も、すべてが私の記憶を掻き立てた。忘れていたことを思い出させるくらいに、彼女はあの人を彷彿とさせるものを持ちすぎていた。私はどうしてもその眼差しから目を離せなかった。
「は、はい…隊長からお話は聞いています。先代の副司令のあやめさんの妹だとか…」
「あら、やっぱりそのことは聞いてるのね。あやめ姉さんほど私は立派な人間ではないけど…姉さんと同じ。帝都を守りたいって気持ちは本物…まだなれないこともあるけど、仲良くしていきましょう」
 かえではマリアに手を出して握手を求めた。マリアはそれに応じその手を軽く握り返すと、かえではにっこりとマリアに微笑んだ。

 マリアはそれから妙な感覚を持ちながらの生活だった。いないはずの人が、まるでそこにいるように感じるのだ。
 見た目も声もそっくりな、彼女。

 彼女はいつだってマリアに彼女の“姉”を思い起こさせた。
 長い茶色のストレートの髪の毛が印象的だった。東洋人のくせに流暢な英語で、初対面なのに自分のなにもかもを知っているようだった。しかし西洋人を見慣れてしまった自分からしてもその人は酷く顔立ちが整っていて、いつも凛としていた。
 なぜだか、目が離せなかった。

 話し方も眼差しもそっくりな姉妹。ここまで似ていると、なんだか悲しくなるのだ。…いつの間にか、居なくなったあの人が恋しすぎてたまらなくなりそうで。


『マリア機訓練終了、直ちに作戦司令室へ』
「了解!」
 戦闘シミュレーションの訓練が彼女、藤枝かえでのアナウンスによって終わりが告げられた。
「お疲れさま、マリア。今日も良かったわ、前回の訓練よりも冷静で素早い判断ができていたと思うわ」
「ありがとうございます、副司令」
「次回もこの調子で頑張ってね」
 またかえでは、マリアの記憶の中の「彼女」にそっくりな笑顔でマリアに微笑みかける。マリアはまた、複雑な気分になった。
 
 
 ゆっくりと進んでいく日々は果てしなくシンプルだ。
 穏やかに過ぎていく帝劇の時間はゆっくりと進む。
 しかし穏やかとシンプルは似て非なるものである。
 そしてその違いはマリアを悩ませている。
 
 彼女ではない、しかしすべてはまるで彼女のようだ。
 見た目もそうであるが、立場も全く同じなのである。帝国華撃団の副司令。つまり自分の上官、よって仕事に関しての接し方は全く同じである必要がある。
 そんな中で、あれほどにも近すぎる見た目を持っていれば困惑してしまっても仕方がないのではないか、と自分を納得させようと努力している自分がいる。
「そんなのだめだよっ!!」
 はっと、マリアは我に返る。
 
「ど、どうしたのアイリス…」
「レニがね、ケガしてる鳥はほうっておけ、っていうの…」
「鳥…?」
 アイリスが両の掌を開くと、小さな鳥が横たわっているのが見えた。
「ボクらにできることは何もない。ボクたちが何かこの鳥を治療しても、自然界で生きていくこの鳥にとっては何の利益もない。ボクたちはこの鳥に何をするべきでもない」
「そんなことないもんっ!アイリスが治したら、この鳥さんはもっとたくさんのところに行けるんだもん…あ、ほらっ!あそこにたくさんこの鳥さんと同じ鳥さんがいる!!きっとこの子を助けに来たんだよ!」
「鳥は一度群れから外れたらもう終わりだ。似ているようだけど…全く違うもの。きっと仲間とも思われないでこの鳥は死ぬのを待つだけだ」
 似ているようで、全く違うもの
 レニのその言葉が、深く突き刺さる。
 
 
 願ったわけでもない、かえって来てほしいのだと。
 だけどかえってきたら、と考えたことがないわけではない。
 ふと寂しくなるときがある。
 ふと恋しくなるときがある。
 ふと切なくなるときがある。
 そんなことは失ってから初めてわかるもの。それが、嫌でも今体感しているから。
 
 二階に上がると、丁度副司令が大量の書類を持って自分の部屋へ入ろうとしていた。しかし、その両手いっぱいに持たれた書類が、今崩れようとしている。
「副司令!!」
「きゃっ」
 サロンの開かれた窓から吹いた風が、その書類をばたばたと音を立てて崩した。
 
「大丈夫ですか、こんなたくさんの書類を持っていくのは少し無理が…」
「確かに少し無理だったけど…二回に分けて運ぶのが少し面倒くさくて」
 またにっこりと、彼女に似た微笑みマリアはまた困惑する。
 もうどうすればいいのかも分からない。
 ふらふらと無意識のままに落ちた書類を拾い上げると、かえでに渡す。が、その書類にはとても身に覚えのあるデータがかかれていた。
 マリア・タチバナ、初代花組隊長―――
「ど、どうしてあなたがこれを…」
 
 
 
「持っててはだめ?私はまだ花組のみんなのことがわかりきっていないから、姉さんの残した資料をもとにしてもっとみんなのことを知りたいと思ったの。屋根裏部屋に、たくさん残してくれたみたいだったから…」
 かえでがその書類を受け取ると、その書類の説明を淡々と始めた。最初は無表情でその説明を聞いていたマリアだったが、次第にその視線は下へと移動し、遂には俯いていた。
「どうしてですか…」
「え?」
 突然のマリアの暗い声。かえではマリアの顔を覗き込むと、マリアの目から一筋の涙が伝っていた。
「どうして、どうしてあなたは…」
 眼を細めたマリアのその瞳からは涙が大量にあふれる。かえでの腕をぎゅっと握ると、マリアはまるでかえでを問い詰めるかのように言葉を発した。
 
「どうしてあなたは、そんなにもあやめさんになるのですか!?どうして…同じものを見ているんですか、同じ見方で…!?」
「ち、違うわよっ…あやめ姉さんはあやめ姉さんで…」
 その鬼気迫る口調にかえでは困惑した。どうにかしてマリアをなだめたいと思うが、そんな余裕はない。
「どうして、こんなにもそっくりなんですか…どうして……あやめさんじゃないんですか…」
 そしてついうっかり、手が出てしまうのである。
 
「馬鹿言わないで。私はあやめ姉さんとは違う。私は藤枝かえで、姉さんとは違うの」
 
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